悪石島と皆既日食
悪石島と皆既日食
悪石島(あくせきじま)とは、東経129度36分、北緯29度27分、鹿児島県トカラ列島に浮かぶ、面積が僅か7.49k㎡の小さな島です。
この小さな悪石島(あくせきじま)で何が起ころうとしているのでしょうか。
来る2009年7月22日、今世紀最長の6分25秒という長時間に渡る皆既日食がこの人口73人の小さな島で見られるそうである。世界中を探しても、この日本の小さな島でしか、これだけ長時間の皆既日食をより良いコンディションで見る事が出来ないそうである。しかもポイントは今世紀最長で最後であるという事。
■悪石島画像

■皆既日食は地球規模の天体ショー
実は過去の皆既日食の際に皆既帯の下にある最も皆既日食が見える地域には、世界中から見学者が訪れる傾向があり、この悪石島も例外ではなく、数千人規模の旅行者が訪れるかもしれないと予想されます。悪石島では今現在この時期から既にヨーロッパなどから下見に来る人々がいるそうです。
■悪石島と皆既日食

多くの旅行者が訪れる事は一見、悪石島にとって非常に良い事の様に思えるが、実はそうではない。なんせ島には民宿が2つしかなく、とても受け入れる体制にないのである。
役場などは、空き地にテントなどを設営し受け入れ態勢を取ろうとは考えているが、数千人規模の来島者を受け入れるには程遠い。
しかも、悪石島には不燃ゴミを処理する施設がなく、断腸の思いで島の一部分を不燃ゴミのストック場所にしてる。
島に多くの人が訪れてゴミを置いていかれると非常に困るのである。
でも、前もってそれだけの来訪者が見込めるのなら今から宿泊施設などのインフラを準備すれいいのではないか?と思われる方もいるでしょう。
しかし、ここで上記にも示した通りポイントです。「今世紀最後」・・・なのです。
この皆既日食は今世紀最後なのです。これが何を意味するかというと、インフラを整備するにはお金がかかります。来訪者が来れば、それは島に莫大なお金も落ちるでしょう。しかし、悪石島にとっても今世紀最初であり今世紀最後のイベントなのです。たった一回の為にインフラを整備する事は出来ません。考えてみてください。人口73人の島ですよ。お金をかけても皆既日食が終わったら利用者などいないのです。
■悪石島とは
囲を断崖絶壁に囲まれた島は、仮面神「ボゼ」に象徴される民族信仰の島である。「ボゼ」はトカラ列島の中でもなぜか悪石島だけに伝わる風習で、東南アジア系を起源とする風習ではないかと思われ、その風習を示すものとして島内の数箇所に神々が祭られている。島内の鬱蒼とした亜熱帯植物の森は大切に保護され、「神山」として聖地の扱いを受けている。
第二次世界大戦も終戦を迎えようとしていた、1944年8月22日夜、学童疎開の児童等を乗せ長崎へ向かっていた貨物船「対馬丸」が、島の北西沖10kmでアメリカ軍の潜水艦(ボーフィン号)の魚雷によって撃沈され、氏名判明者だけで1,418名もの犠牲者を出した悲劇の地でもあり、島には慰霊碑が設けられている。
悪石島という変わった名前の由来は「島のあちこちに石があり、崖から落ちてきそうだから」「平家の落人が、追手が来たがらないような名を付けた」など諸説ある。
■悪石島への行き方
鹿児島本港南埠頭から十島村営フェリー「フェリーとしま」で11時間。「やすら浜港」に寄港するが、週2便のため運航日に注意したい。
